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「魂とヘルシー」事前鼎談企画 Vol.2

写真:服部健太郎

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高橋:それぞれのアルバム製作について訊きたいのですが、何かテーマとかコンセプトがあって作るのか、曲の集合体で一つのものになるのか。何か意識はしてますか?

 

塩塚:うーん。まだ3枚しか作ってなくて、最初に作った時は、持ち曲としてそれまでやってきた曲があったし、ライブのセトリっぽい感じで、いつもやってる事を出そうみたいな感じで。

塩塚:その次も、自分たちが作ってきたものの中から選んだんですけど、最新のものっていうので、本当にここ1年以内に作った物から録りました。前作は長い期間から色々選んだので。3枚目はアルバムなんですけど、その時は、まあ全部が全部アルバムを見据えて作ったわけじゃないんですけど、普段作ってる過程で「こういうテーマ良いかもしれない」って途中でふわって思って。だからまだコンセプトアルバムみたいなのは全然できないですね。

 

高橋:コンセプトアルバムは作りたいですか?

塩塚:めっちゃ作りたいです。でもなんか、深く考える事がすごく苦手で、曲のアレンジも、弾き語りでやって、バッとスタジオに持って行ってみんなでバッてやって。「なんか違う」「良い感じ」っていう風に。

高橋:倉内さんはどういう風にアルバムを作りますか?

倉内:その時々だな。誰かと一緒に作る時もあるし、完全に1人で作る時もあるし。

高橋:こういうアルバムのイメージがあって、そこに向けて曲を作っていく事はありますか?

倉内:その生きてる時期がそのイメージだから、その中でもこれ違いますねっていうのは避けたりする。

塩塚:最近気になってる事がテーマになってたりしますね。

高橋:弾き語りで作っていって、バンドで合わせて、あまりいじったりはしないんですか?

塩塚:弾き語りだと良い感じだけど、弾き語りっぽすぎるとか、バンドっぽくないっていうのは調整しますね。弾き語りっぽくないなっていうのは構成がガラッと変わったりするけど、例えばペトロールズとかってすごい点の集まりって感じじゃないですか。あとコーネリアスとか。構築された何か。ceroとかも。そういうのではないから、作ってるものを作品と思えなくて、なんか一筆書きというか、日記を書いてるような、ざっと書いたものだなって。

作ってるものを

作品と思えなくて、

なんか一筆書きというか、

日記を書いてるような、

ざっと書いたもの

だなって。

塩塚モエカ

菅野:塩塚さんはエレクトロニカをやってみたいって、他の記事で話してたけど、それは緻密なものを作ってみたいっていう気持ちからだったんですか?

塩塚:それは、前々からJAMES BLAKEとかすごい好きで、エレクトロニカもダブステップも、そういうのをやりたいって高校生の時に思ってて。でも機材が高いから買えなかったので、とりあえずバンドをやろうって思ったんですよね。ギターって、家じゃないと曲を作れないけど、パソコンだとどこでも制作ができるし、家にいるのがあまり好きじゃないから。

高橋:スリーピースっていう形態にこだわりはあると思うんですけど、打ち込みの音楽をやりたいって気持ちがあるって事は、今の形態が絶対ではないんですか?

 

塩塚:羊文学は絶対に打ち込みとか入れちゃいけないと私は思ってます。3人で何かやりたいってところから始まってずっと。メンバーを増やそうと思った時もあるんですけど、今の3人の形態に落ち着いたし、別の事をやろうとしたら1人でやったりすると思います。

高橋:3人の意思を尊重してやってるというか。

塩塚:シンプルでやりやすいから、良いんですよね。でも、オーケストラみたいな曲がいつかできるかも知れない(笑)

高橋:それは楽しみですね(笑)

高橋:倉内さんは打ち込みを取り入れたりしますか?

倉内:1人で宅録だったらね。やってみるのも楽しそう。

 

塩塚:倉内さんはテープレコーダーから入ったから、それはもう宅録ですよね(笑)

 

高橋:最初は声だけですもんね(笑)

 

倉内:うん、声だけ。

 

塩塚:リズムは入れなかったんですか?

 

倉内:声だけだったな。

 

高橋:すごい聴きたいなそれ(笑)

 

倉内:最初って、自分の声が別の人みたく聴こえるでしょ。

 

高橋:あ~嫌でしたね。

 

倉内:でもちょっと面白かったんだよね。「誰だ?」みたいな。それで1年もったんだよね。

 

菅野:Gコードで3ヶ月もって、自分の声だけで1年もったんですね(笑)

たくさん曲書くけど、

自分の曲って結局1曲の

イメージがあって。

それのなんかこう、

一部を切り取ってる

だけみたいな感覚。

倉内太

高橋:一旦曲が完成して、その後から歌詞を書き換えたりします?

倉内:たくさんする。

 

高橋:これは共同企画者である服部くんからの質問なんですけど、服部くんの言葉でお願い。

 

服部:僕は写真をやってるんですけど、写真だと撮ってプリントして、プリントの時点で色味を何回も変えたりはするんですけど、撮ってしまったら、そのものが変わる事ってないんですよね。その形が変わるというか、やってた事すら変わっちゃうっていう感覚が分からなくて。撮った時に完結する事がすごくあるから、その一回形にしたものがどんどん形を変えていくっていうのはどういう感覚なんだろうと思って。

 

菅野:音楽は流れていって、その言葉を聞いた1秒後にはもう違う言葉が流れてくから、何ていうか、無責任なんだよね。録音されて固定されるって事はあるけど、歌ってる時は言いたいことを言えるなって思う。写真は撮った物をみんながずっと見られるから、そこが違うと思う。

倉内:写真は時間を止めるもんね。

 

服部:もう一歩踏み込むと、倉内さんはずっと考えてるわけじゃないですか。人の人生を変えるかも知れないパンチラインを。

 

倉内:パンツちらり。

 

服部:残しますからね(笑)

 

一同:(笑)

 

服部:「これに賭けてる」みたいなものが、ライブみたいな土壇場で変わっちゃう感覚が面白いな。

 

倉内:なんか、たくさん曲書くけど、自分の曲って結局1曲のイメージがあって。それのなんかこう、一部を切り取ってるだけみたいな感覚。

 

高橋:大きな曲があって、その一部を取り出してる感じですか?

 

倉内:そうそう。イメージだけど。だから歌詞を変えちゃったりするのかも知れない。

服部:ああ。「今日変えて歌ったのは(大きな1曲の中の)この部分だった」って感じですかね。

 

倉内:そうそう。

 

高橋:菅野も彼自身が作った曲を歌うんですけど、毎回歌詞が変わるんですよね。

 

倉内:へえ。

 

菅野:曲を作るのが遅くて。倉内さんも作りたいのは1曲だと思うんですよ。自分自身みたいな、大きな意味での1曲。僕も作ってみたくて、それを本当に1曲だけで終わらせようとしてるから、できるまでに時間がかかっちゃうっていうか。みんなそういう感じじゃないんですか?

 

高橋:俺はあんまりそういう感覚はないな。

 

倉内:僕もそういう感覚はない。

 

菅野:みんなにそう言われたらもうだめですね(笑)

 

一同:(笑)

菅野:とりあえず歌詞については、曲が作るのが遅いので、歌詞をとっかえひっかえするしかないんですね。同じ歌詞だと飽きるので。

塩塚さんももしかしたら、言葉を軽んじてるわけじゃないけど、「ここにはこの歌詞なんだ」っていう感覚が少ないんじゃないですか?

 

塩塚:そうですね。

 

高橋:「この言葉しかない」みたいな。

 

菅野:だったら、今日出てきた言葉を投げ込んじゃえっていう。

 

塩塚:その時に思った事をわーって書いてるだけなので、特に文学的表現とかもないし、パンチラインも全然ないし、

 

倉内:日記を書いてるって話があったけど、そこに気付いたらパンチラインが入ってるんでしょうね。それは理想的じゃない?

 

塩塚:入ってますかね。でも最終的にレコーディングして提示しなきゃいけないってなった時は、完成してなくて繰り返しの部分がすごく多い曲を除いて、拙いなと思ってもその時自分が書いたものとして尊重します。

 

高橋:「若者たち」の「僕らはいつでも難しいことばかり考えてはダメになる」って部分はすごい好きなんですよね。自然とそういうのがパンチラインになってるんだと思います。

 

塩塚:ありがとうございます(笑)

 

高橋:僕は曲が出来ちゃうと、歌詞が記号になっちゃうのかも知れないですね。その時に思って、心を込めて書いた事には変わりないんですけど、多分じいちゃんになっても、恥ずかしいかも知れないけどその同じ言葉で歌うんだろうなっていう感覚なんですよね。

 

倉内:それが良いよ。

菅野:思いを込めた歌詞って、好き嫌いはあるけど、あの、思いがこもってるから聴いていられない部分もあると思うんですよ。どいつもこいつもうるせえよみたいな。だから最近は、地球の真裏のフアナ・モリーナとか、言葉が出てこない坂本龍一とかを聴いちゃうんだよな。そういう認識でいるから、自分が歌詞を考える時も、ころころ変わるんだよな。

 

倉内:聴いてみたくなるね。

 

高橋:是非(笑)

 

菅野:とりとめもない事ばっかりです。

 

塩塚:柴田聡子さんの「ワンコロメーター」って曲知ってますか?

 

高橋:ワンコロ…?

 

塩塚:「ワンコロメーター」です。新しい曲なんですけど。歌詞が、”この間の祭りの時に近所の犬がいなくなって、騒ぎになったと思っていたら地球の裏側の国のテレビ番組に、その犬が写り込んでいた”って曲なんですけど(笑)知ってます?ライブとかではよくやってた曲みたいなんですけど。

 

倉内:いや、最近のは知らないなあ。

 

高橋:面白いですね。

 

塩塚:そう、めっちゃ面白くて。だから今は気持ちとかっていうより、そういう面白い事を言いたくなってきた(笑)

 

高橋:そうなりたいなとは思いますね。

 

菅野:何言ってるかわからない人の方が、聞き間違いとかでこっちが勝手に解釈する部分が残ってたりすると思う。曲のシャウトする所で「スカートが揺れるおまじない」って叫んでるように聞こえた事があって。

 

一同:(笑)

 

菅野:ああ、すごい良いフレーズだなと思ったんだけど。

 

高橋:実際はなんて言ってんの?

 

菅野:いやわかんない。

 

高橋:ただ叫んでるだけか。

 

菅野:そういうのじゃないのかなあ。印象に残るフレーズって。

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